よろしいですか?
高専生のみなさん、こんにちは!
高専Link運営事務局です。
今まで高専Linkでは、会員登録頂いた高専生から就職活動やキャリアについて「約100の不安・悩み」をいただきました。
その中から良くある不安・悩みを4つ紹介・回答していきます。
同じ不安や悩みを持っている方はぜひ参考にしてください。
目次
Q. 自分に合う企業・やりたいことが分からない
Q. オンラインが中心なので会社や仕事の雰囲気が掴めず困っている
Q. 今の自分の知識や技術で社会に出てから活躍できるか不安/高専卒という学歴で通用するか不安
Q. 企業とのコミュニケーション・言葉遣いが不安
Q. 自分に合う企業・やりたいことが分からない
【結論】仮説を立ててとにかく比べることが大切
この悩みは、高専Link運営が想像している以上に多かったです。
「どんな企業か良くわからない」「希望企業が定まらない」「福利厚生・給与…何を重視すれば良いの?」など言い回しは異なりますが、同じような悩みがたくさんありました。
簡単にまとめたのでご覧ください。詳細は別記事にしたいと思っています。
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ほとんどの場合は企業に入社して働いてみないと分からない
自分に合う企業、やりたいことを見つけるためには以下の3つが必要です。
✓ 世の中にどんなビジネス・企業・職種・働き方があるか知っている
✓ 自分の性格・価値観、強み、興味のあることが分かっている
✓ 上記2つから企業選びの方針・理想的な働く条件が明確になっている
反対に、3つが揃えば自分に合う企業・やりたいことが分かります。
ただし、働いたことがない皆さんがこれを考えるのは非常に難しいことです。
※だからこそインターンシップが重要になってきます。重要性は以下の記事をご覧ください。
▼高専生がインターンシップに参加する目的と選び方
https://kosen-link.com/column/14
「自分に合う企業・仕事・やりたいこと」を見つける近道はなく、長い時間をかけて探していくものだと高専Link運営は考えています。そのため、現時点で見つからなくても全く焦る必要はありません。
働いていくうちに「やりたい仕事になった」「これではなかった」「○○がやりたい」ということが当たり前のようにあります。
なぜなら学生時代に知れることはとても少ないからです。「いろいろなことを知り」「経験する」ことで、向いている仕事・やりたい仕事が見えてきます。
だからこそ、「企業に入社してみないと分からない」ですし、実際に働いてみないと「自分の性格・大切にしていること・強み・やりたいこと・やりがいを感じること」など自分についても明確にならないことも多々あります。
あくまで就職活動は「自分に合う企業・やりたいことを見つける確率を高める」ものだと思ってください。
ここからは、その確率を高める方法をお伝えしていきます。
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まず仮説を立てよう
今までの人生を振り返り(自己分析をして)、どんなことに興味があるのか(業界選びに繋がる)、自分の性格や価値観を考えてどんな企業・職種が合っていそうか、を考え仮説を立てましょう(自己分析のやり方は後日お伝えします)。
以下の「【高専Link】企業選びの方針を考えるシート」を参考に企業選びの方針・条件を考えて対象企業を絞ってみましょう。自分の考えがまとまっていない場合は、埋められるところだけで良いです。
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足を運びとにかく比べる
仮説を立てた後は、企業を比べて最も自分が就きたいと思う企業を地道に探していくしかありません。キーワードは「比べる」です。
以下のサイクルを繰り返し行ってください。
1 インターンシップや説明会に参加し、エンジニアと話をして「企業を比べる」
2 「こっちの方がやりがいを感じそう・面白そう」「あっちの方が自分に合っていそう」という感情が生まれるはず
3 「なぜ自分はそう思ったのか?」理由を考えて仮説を整理する
4 軌道修正して1に戻る
「考える→行動する→考える→行動する…」を繰り返す。これが「自分に合う企業・やりたいことが見つかる確率を高める」近道です。
※以前に「高専生の志望企業の決め方」という動画も挙げています。参考になると思いますので会員の方はそちらもご覧ください。
Q. オンラインが中心なので会社や仕事の雰囲気が掴めず困っている
【結論】先輩やエンジニアの話を聞こう
2022年卒はもちろん、2023年卒の高専生からもお悩みを頂戴しました。
コロナ禍のため、インターンシップを対面で実施する企業が減り、中止もしくはオンライン実施の企業が増えています。また、インターンシップ派遣を中止する高専もあるので、昨年に引き続き「イメージや雰囲気が掴めない」と悩む高専生は出てきそうですね。
※インターンシップに限らず、会社説明会、工場・職場見学等も同様です
それでは、どうすれば良いのでしょうか?
解決策を2つ提示します。
まずは、対面実施のメリットから確認していきます。
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対面実施のメリットは何?
これに尽きると思います。
✓ 実際の場所で、実際の人たちと、雰囲気や社風を感じながら、実際の機器を使用して、仕事の体験ができる(特にインターンシップの場合)
ただし、配属先や働く場所がインターンシップ先と同じになるとは限らないですし、体験できる業務もあくまで仕事の一部分でしかないことはご理解ください。(もちろん自分の目で見て肌で感じることは大切です)
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〈解決策1〉先輩やエンジニアの話を聞く
上記も加味すると、この中でおそらく皆さんにとって重要なことは「人」「雰囲気・社風」だと考えています。
その場合、エンジニア(ベストは高専卒)と話をすることをオススメします。そこで働いている人と話すことが最もリアルな情報を手に入れられます。人や雰囲気・社風を掴めることはもちろん、仕事についても理解できます。それはオンラインでも対面でも変わりません。
オンラインインターンシップ・説明会でも、エンジニア・高専卒の先輩と話せる機会を提供している企業はあります。プログラムを確認して、エンジニアと話ができるイベントに参加するのが「会社や仕事の雰囲気が掴めず困っている」方にとって最も良い方法だと考えています。
また、様々な社会人と話をすることで皆さんの視野も広がります。志望企業ではなくとも、将来のキャリアや企業選択でプラスに働きます。
「座談会では本音を聞けない」と思う方は、個別で話ができるWEB OBOG訪問を企業にお願いすると良いと思います。(NGの会社はありますが、受け入れてくれる会社もあります。)
例えば、高専Linkでは学生から企業にメッセージを送ることもできるため、「エンジニアと話がしたい」と希望を送るのも一つの方法です。
もちろん高専Linkを使わなくても直接企業に問い合わせをしても良いと思います。また友人や先輩に紹介してもらっても良いです。
少し緊張するかもしれませんが、行動をした人にしか有益な情報は手に入りません。
必要性を感じている方はエンジニアと話をしましょう。
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〈解決策2〉ワクチン普及を待つ
現在も対面で実施している企業もあるのでそれに参加するのは一つの方法ですが、コロナウイルスの影響で少し怖いとは思います。
解決策でもなんでもなく運頼みにはなりますが、ワクチンが普及し対面実施の企業が秋~冬頃に増えることを願って待つ、ということもある意味一つの方法ではあります。
(運頼みなるのであまりオススメはできませんが…)
※以前に「夏インターンシップに参加できていない高専生は何をした方が良いか」という記事も挙げています。今回と少し内容は異なりますが、気になる方はご覧ください。
https://kosen-link.com/column/3
Q. 今の自分の知識や技術で社会に出てから活躍できるか不安/高専卒という学歴で通用するか不安
【結論】活躍できる・できないは今後の自分次第。高専卒は企業でもちろん通用するがデメリットもある
募集要項に「高等専門学校 本科卒」と書いてあれば、企業側は皆さんの学歴・能力は問題ないと判断しています。
むしろ「大学生よりも高専生を採用したい」という企業もたくさんあります。それは高専卒の先輩方が企業でたくさん活躍してきたからです。実績があるわけです。
「実習が多く実践的」「すれていない、素直」「自分を持っている人が多い」など企業からはとても高く評価されているという認識を持ってください。
そして会社に入ると学歴はほとんど関係ありません(会社によりますが…)。学校の成績も関係ありません。極論は仕事ができるか、できないか、です。
本科卒で大学院卒の部下がいる人もいます。部長・課長という方もたくさんいます。役員や社長になっている人もいます。
基礎は大切ですが、高専卒でも大学卒でも大学院卒でも、学校で学んだことだけで仕事ができるようになることはまずあり得ません。誰もが入社当時は仕事ができないことが当たり前で、仕事をやってみないとできるようにはならないです。
だからこそ、「今の自分の知識や技術で社会に出てから活躍できるのか…」と今から不安になる必要は一切ないと言えます。
「入社後にどれだけ学ぶか・意思があるか」それに尽きると思います。学んでいく人であれば、高専卒でも活躍できますし、学んでいかない人であれば大学院卒でも活躍できません。
そのため、本科卒を対等に扱ってくれる会社であれば、早く働き始める本科卒は大卒に比べてむしろ有利に働くとも私は考えています。不安を解消したいのであれば、高専OBOGに話を聞いてみると良いと思います。
企業で活躍することは自分次第ですが、正しい選択をするためにも高専卒であるデメリットをお伝えします。人によってデメリットは異なると思いますので良く考えてください。
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高専卒のデメリット
✓ デメリット1 視野が狭い
大学生に比べてどうしても知っている世界は狭くなります。そのため、学歴が問題ではなく知っている世界・視野が狭いという点はデメリットになると思います。(もちろん人によります)
✓ デメリット2 企業によっては扱いが異なる
企業によって本科卒の扱いはガラッと変わります。高専卒は一般職採用という会社もあれば、高専卒は課長までという制限がある会社もあります。もちろん学歴関係なく昇進できる会社もあります。
そのため、今後のキャリアまで考えると給与・昇進スピード等が企業によってかなり異なるということはご理解ください。
✓ デメリット3 配属先は生産系・サービスエンジニア系が多い
人によってメリットにもなるでしょうし、デメリットにもなると思います。
高専卒の場合は、配属先が生産技術、製造、サービスエンジニア、品質保証などが多くなります(もちろん開発・設計ができる会社もある)。
開発や設計に携わりたい場合は会社を良く選ぶ必要があります。また大企業の研究・開発職に就きたいのであれば大学院まで進むことをオススメします。
(IT企業の場合は配属職種に差はないことが多い)
✓ デメリット4 転職時
転職する時のデメリットです。「大卒以上」が条件の会社もあるため、少しだけ選択肢が狭くなります。
ただし、近年はジョブ型雇用が広がっているため、学歴よりも「何ができるか」がより大切になっています。そのため、転職時の学歴デメリットはあまり気にしなくても良いレベルだと思います。
✓ デメリット5 世間一般の認知度が低いこと
世間一般の認知度が低いというデメリットです。
同期にも高専を知らない人も出てくるでしょうし、社外でも同様です。高卒や専門卒と同じくくりで考える人もいます。一般的な知名度が低いという点はデメリットになり得ると思います。
長くなりましたが、活躍できる・できない、そして高専卒という学歴は皆さん次第だと思ってください。
Q. 企業とのコミュニケーション・言葉遣いが不安
言葉遣いはそこまで気にしなくて良い
言葉遣いはしっかりしている方がもちろん良いですが、企業は言葉遣いをそこまで気にしていないのであまり心配し過ぎる必要はありません。
尊敬語・謙譲語が使えなくても、丁寧語(です。ます。)で話ができれば全く問題ありません。言葉遣いは会社に入ってからいくらでも直せます。
メールの場合は、ググればひな形がたくさん出てくるので利用すれば良いですし、少し言葉遣いがおかしくてもそれだけで不採用になることはありません。
言葉遣いよりも自分について理解してもらうことの方がずっと大切です。
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自分の言葉で話ができれば問題ない
企業が大切にしていることは、仕事で必ず必要になる「コミュニケーション能力」です。
よく学生の方だと「話が上手い≠コミュニケーション」と誤解される方もいますが、「相手の話を聞きそれに対して自分の言葉で話ができる=コミュニケーション」です。
そのため言葉遣いが少しおかしくても、上手く話せなくても問題ないです。たどたどしい話し方でも問題ないです。
相手の話・質問の意図をくみ取り、それについて自分の考え・言葉で話ができれば良いわけです。
逆にこんな例はNGです。
× 自分だけがずっと話している
× 質問と全く違う回答をする
× 覚えてきたことを話す
× 言葉遣いが不安で自信がなさそう
× 目が見れない
× 相手が聞きたいと思っていることを話すことができない など
あまり難しく考えず「会話をする」ということを意識されると良いと思います。
まとめ
以上が、『高専生の就職活動で良くある「不安・悩み」4選』でした。
※ほかにも多くの不安・悩みをいただきましたが、代表的なものを紹介しました。
第2弾も考えていますので、楽しみにお待ちください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。