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高専生のみなさん、こんにちは!高専Link運営事務局です。
高専生がどのように就職活動を行っていたのか、就活を終えたばかりの2024年卒高専生の就活体験記を掲載します。
これから臨む就職活動の参考にしてください。
目次
✓ 内定企業・所属
✓ Q1.どんな高専生活を送っていましたか?
✓ Q2.就職活動はいつから、どのように進めましたか?
✓ Q3.就職活動を終えて「やっておいて良かったこと」を教えてください。
✓ Q4.就職活動で参考になったものを教えてください。
✓ Q5.これから就職活動をする高専生にメッセージ・アドバイス
内定企業・所属
総合電機メーカー内定者(2024年卒)/機械系高専生(専攻科)
Q1.どんな高専生活を送っていましたか?
私の高専生活は、モノづくりへの情熱と挑戦の連続でした。幼少期からものづくりに興味があり、小学生の頃には高専ロボコンをテレビで見て、将来は高専に進学することを決めました。
高専に入学して初めての全寮制生活や新しい環境での半一人暮らしは、最初はホームシックになることもありました。
また、専門科目の難しさに直面し、特に4大力学やプログラミングには苦戦しました。留年の危機も迫り、心が折れそうになりました。
しかし、長年憧れていたロボコンに参加したことで、一生の友人に出会えたことや、モチベーションが向上し、留年の危機を脱しました。この経験から、苦手科目にも力を注ぐことを決意しました。
本科では、ロボコンに所属し、高専ロボコンに挑戦しました。私は加工班のメンバーとして、ロボットのアイデア出し、部品加工、組み立てなどに情熱を注ぎ、地区大会で技術賞を受賞するなどの成功体験を積みました。
しかし、新型コロナウイルスの影響で高専生活は大きく変わりました。遠隔授業となり、イベントが中止となる中、高専ロボコンもオンラインでの実施となり、会場での実施を望んでいたメンバーのモチベーションの低下や、自宅から学校へ通ってロボット製作に取り組むことの難しさもあり、参加を断念しました。
不完全燃焼のまま、ロボット製作委員会は引退し、進路選択を迫られました。
図:ロボット製作委員会での活動の様子
5年生に進級し、遠隔授業期間が続く中、計画的な学習と真剣な姿勢で課題に取り組みました。進路選択に迷いましたが、専攻科への進学を選びました。
専攻科1年次では、商品開発プロジェクトに携わり、商品の味付けを担当し、大きな成功を収めました。また、複数の企業でのインターンシップに参加し、設計開発職に対する理解を深め、さまざまな業界の知識を得ました。
高専生活は挑戦と成長の連続であり、その経験を今も活かしています。
Q2.就職活動はいつから、どのように進めましたか?
専攻科1年次春ごろより企業や業界の研究を行い、現在の内定先であるJ社に内定をいただいた専攻科2年次の7月まで就職活動に取り組んでいました。
インターンシップや会社説明会に参加した10社のうち9社の選考に参加しました(黄色いマーカー)。
A社:パワエレや回転機などのメーカー
B社:電動工具メーカー
C社:作業車両メーカー
D社:計装機器メーカー
E社:玩具メーカー
F社:玩具メーカー
G社:アーケードゲームや遊技機のメーカー
H社:物流倉庫の保守・点検作業員
I社:カー用品メーカー
J社:電気機器メーカー
次に、私の就職活動スケジュールを示します。
・専攻科1年次
●4月~7月:業界研究・企業研究・自己分析・筆記対策
就職情報サイトの適職診断や自己分析、筆記対策を行い、対策を練りました。
夏季インターンシップで自身の志望している「設計・開発」職での募集をしている企業を調査しました。就職情報サイトや口コミサイトを駆使し、企業分析や比較を行い、企業への理解を深めるとともに夏季インターンシップに応募する企業を決めました(A社~D社)。
応募するにあたってエントリーシートや研究概要書などを作成し、ノウハウが身に付きました。
●8月~9月:インターンシップに参加
A社~C社は各5日間、D社は3日間のインターンシップに参加しました。
インターンシップを通して、職場の雰囲気を知ることができたとともに業界や設計・開発職への理解が深まりました。また、自身のやりたいこと、やりたくないことが鮮明になり、のちの就職活動に生かされました。
●12月:早期選考案内・就職活動開始
C社:インターンシップ参加による特典として、選考一部免除と早期選考の案内の連絡があり、自由応募で早期選考に進みました。
インターンシップに参加したことによって企業や仕事への理解が深まったことにより、1次・2次と面接を通過することができました(1次・2次ともにweb面接)。
●2月:会社説明会や選考への参加
E社:web会社説明会に参加し、エントリーシートを作成しました。
C社:対面での最終面接に臨み、内々定を得ることができました。
●3月:引き続き会社説明会や選考への参加
E社:自由応募で応募し、対面での1次選考に参加しましたが、落選しました。
A社:選考の案内があり、自由応募で1次web面接を受けましたが落選しました。
F社:就職情報サイトの機能でスカウトがあり、会社説明会に参加し、エントリーシートを作成・提出しました。
B社:選考のお誘いがあり、自由応募でエントリーしました。
・専攻科2年次
●4月:引き続き会社説明会や選考への参加
G社:web会社説明会に参加し、エントリーシートを作成しました。
F社:自由応募で1次web面接を受けましたが落選しました。
B社:自由応募で1次web面接通過し、最終2次対面面接に臨みましたが、5月に落選の連絡がありました。
C社:他社の選考結果が出ていなかったことや、一度、内々定承諾の期限を伸ばしていただいたこともあり、C社の内々定を辞退しました。
●5月:引き続き会社説明会や選考への参加
G社:自由応募で1次web面接に臨みましたが落選しました。
J社:学校推薦で応募しました。
H社、I社、J社:会社説明会に参加しました。
●6月:選考への参加
H社:1次web面接に参加し、選考に通過しました。
I社:1次web面接に参加しましたが、連絡はありませんでした。
J社:1次web面接に参加し、選考に通過しました。
●7月:選考への参加
J社:最終web面接に臨み、内々定をいただき、J社に進路を決めました。
H社:選考は辞退しました。
●8月:内定者懇談会
J社:内定者web懇談会に参加しました。
Q3.就職活動を終えて「やっておいて良かったこと」を教えてください。
就職活動を終えて、「やっておいて良かったこと」は次の通りです。
1.業界研究・企業研究
就職情報サイトを使い、志望職種で募集中の企業を比較しました。
会社規模や工場・事業所の場所、待遇・福利厚生などを基準に比較しました。
また、口コミサイトで社内の雰囲気やホームページにない情報などを調査しました。
2.企業の説明会や業界研究会への参加
企業や仕事に対する理解が深まりました。
説明会を通じて、各企業の文化や価値観を知り、自分に合った就職先を見つける助けとなりました。
3.インターンシップへの参加
実務を経験することで、設計開発職への理解が深まりました。
また、職場でのインターンシップであったため、働く環境や職場の雰囲気などを具体的に把握することができました。
4.想定質問集と回答の作成
口コミサイトにある過去の面接の質問内容をまとめ、キーワードを抑えた回答を作成しました。
これにより、自分の強みや経験について整理し、自信を持って面接に臨むことができました。
図:作成した想定質問集
5.友人との面接対策
友人と面接練習を行い、アドバイスを受けました。
想定質問に限らず、アドリブ力も鍛え、論理的な回答をする力が身につきました。
特に、友人との面接対策において、面接官側からしか感じ取れないことがあり、その経験は本選考時の面接にも生きていました。
Q4.就職活動で参考になったものを教えてください。
就職活動で役立ったものは以下の通りです。
1.就職情報サイト
業界と企業の研究において、同業他社の比較が容易で、新たな企業の発見も可能でした。スカウト機能を利用して、企業からの誘いを受けて選考に進む機会も増えました。
2.口コミサイト
内定者のエントリーシートや面接に関する情報を参考にすることで、自分のエントリーシートや面接対策の向上に寄与しました。
また、実際にその企業で働いている人や元従業員の口コミを通じて、職場の雰囲気や待遇、福利厚生について具体的な情報を収集できました。
特に、口コミサイトの実際の職場経験者の意見は、企業の特徴や職場の雰囲気を詳しく知るのに役立ちました。
3.インターンシップ
実際の職場でのインターンシップは、企業の特色や職場の雰囲気を知るきっかけとなり、最終的な企業の選択において非常に役立ちました。同時に、自分が志望する設計開発職に対する理解も深めました。
これらの経験は、選考プロセスでの自信を高め、最終的に内定を獲得するのに貢献しました。
Q5.これから就職活動をする高専生にメッセージ・アドバイス
就職活動でのアドバイスは以下の通りです。
1.インターンシップへの参加
インターンシップは貴重な経験です。交通費や宿泊費が支給される場合、学生にとって負担はありません。業界や企業を深く理解し、早期選考や選考免除のチャンスとなります。
2.学校推薦
就職活動において、学校推薦は企業に高い志望度をアピールするとても強力なカードです。志望企業が学校推薦を受け付けている場合、積極的に活用しましょう。自由応募だけで就職活動をすることは難しいこともあるので、この制度を利用すると良いです。
3.企業と学生は対等の立場
インターンシップ先の人事の方にいただいた言葉です。
就職活動やインターンシップにおいて、企業と学生は対等の立場です。
自分を企業より下に見ないようにしましょう。自信を持ち、緊張感を解消するためにはこの考え方が役立ちます。
4.企業研究・業界研究
面接で業界や企業に関する質問がよく出ます。企業のウェブサイト、就職情報サイト、口コミサイト、ニュースなどを活用して、事前に情報収集を行いましょう。
5.「高専」ブランドは強い
高専卒業生でも、他の大学出身者と対等に競えます。
技術職採用の場合、学歴よりも実力が評価されます。自信を持って挑戦しましょう。
6.就職活動も団体戦
友人と情報交換や面接対策を共有しましょう。
友人と相互に面接練習することで、新たな視点やアドリブ力が養われます。
7.就職活動は焦らないようにしよう
周りが内定を獲得してくると、焦りや不安を感じることは理解できます。しかし、焦りすぎて興味のない企業や職種に応募し、後悔することのないよう、慎重に行動しましょう。
最終的には、自身が納得する就職先が見つかれば、内定が出たタイミングはあまり重要ではありません。焦らず冷静に選択しましょう。
悔いの残らないよう、情報収集は怠らず、自身の出せるベストで就職活動に臨んでください。影ながら応援しています。
【高専生の就活体験記】は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。