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高専生のみなさん、こんにちは!高専Link運営事務局です。
本日のテーマは、「高専卒の給与・生涯年収を解説」していきます。
高校生や大学生・大学院生と比較して、給与や生涯年収を調べました。
大卒よりも年収が低い理由も考察しています。
あくまで統計データを元にしています。実際には企業によって大きく異なりますのでご注意ください。
給与がすべてではありません。キャリアや就職先を考える一つの指標としてご覧ください。
目次
✓ 学歴別の初任給
✓ (余談)手取りはどれくらい?
✓ 学歴・年齢別の給与
✓ 学歴別の生涯年収
✓ 要因1(総合職・技能職・一般職の給与差)
✓ 要因2(役職別の給与差)
✓ 要因3(企業規模による給与差)
✓ 高専卒が年収を高くするためには
学歴別の初任給
まずは初任給から説明します。
※全てのデータに共通しますが、高専卒は短大卒も含めたデータとなっています。純粋な高専卒の年収ではありません。
【初任給/通勤手当を含む】
✓ 大学院卒 月給25万5,600円
✓ 大学卒 月給22万6,000円
✓ 高専・短大卒 月給20万2,200円
✓ 専門学校卒 月給20万8,000円
✓ 高校卒 月給17万7,700円
引用:令和2年賃金構造基本統計調査
初任給は、高専卒の場合は20万2,200円(通勤手当を含む)です。
大学卒と1.6万円、大学院卒と5万円程度の差があります。
ただし、初任給の高い低いはそこまで重要ではありません。
年齢が上がった時や昇進(課長・部長など)した時の年収に企業毎に大きな差が出るので、合わせて確認すると良いと思います。
(余談)手取りはどれくらい?
20万2,200円をすべて自由に使用できるわけではありません。
保険料や税金などが差し引かれ、手元に残った金額を皆さんが自由に利用できるわけです。
【手取り額】
✓ 額面:20万2,200円
✓ 初任給手取り:19万6,754円
✓ 2か月目手取り:16万8,614円
✓ 2年目手取り:約15万8,000円
【差し引かれる保険料や税金】
✓ 雇用保険料(1カ月目から):606円
✓ 所得税(1カ月目から):4,840円
✓ 健康保険料(2カ月目から):9,840円
✓ 厚生年金保険(2カ月目から):1万8,300円
✓ 住民税(2年目から):1万円程度(年収により異なる)
✓ 企業によっては労働組合費や積立金、社宅家賃なども差し引かれます
※通勤手当を含んだデータのため、正確な金額ではありません
※東京在住、扶養親族0人にて計算
学歴・年齢別の給与
学歴・年齢別の給与を見ていきます。
【学歴・年齢別の月給】
年齢 | 大学院 | 大学 | 高専・短大 | 専門学校 | 高校 |
20~24 | 25.2万円 | 22.9万円 | 21.3万円 | 21.3万円 | 20.4万円 |
30~34 | 33.7万円 | 31.3万円 | 28.1万円 | 27.4万円 | 25.8万円 |
40~44 | 49.8万円 | 41.6万円 | 35.9万円 | 31.9万円 | 31.1万円 |
50~54 | 63.6万円 | 52.6万円 | 43.9万円 | 37.6万円 | 34.5万円 |
55~60 | 71.4万円 | 51.6万円 | 44.0万円 | 37.8万円 | 35.3万円 |
※男性の給与を記載、小数点第2切り捨て
引用:令和2年賃金構造基本統計調査
20~24歳の毎月の給与は、学歴によってそこまで大きな違いはありません。
しかし、30歳、40歳、50歳と年齢が高くなるほど給与に差が出ます。
ボーナスも毎月の給与をベースに計算されるため、給与と同程度の比率で差が出ます。
それでは生涯年収にどれくらいの差があるのか見ていきます。
学歴別の生涯年収
学歴別の生涯年収を見ていきます。
【学歴別の生涯年収】
✓ 大学・大学院卒:3億3,220万円(6,600万円差)
✓ 高専・短大卒:2億6,620万円
✓ 高校卒:2億5,740万円(880万円差)
引用:ユースフル労働統計 2020
短大を含めているということもあると思いますが、大学・大学院卒と生涯年収にかなり差が出ますね…。
なぜ学歴によって生涯年収に差が出るのか、理由を考えていきます。
※2017~18年のデータを元に計算した生涯年収となっています。
※昨今、高専卒の年収を上げる企業が増えているので、現在は高校卒との生涯年収差は広がり、大学・大学院卒との生涯年収差は縮まっているはずです。
要因1(総合職・技能職・一般職の給与差)
要因の一つに総合職や技能職・一般職による給与差が考えられます。
【高専・短大卒の総合職・一般職の月給】
年齢 | 総合職相当 | 一般職相当 |
20 | 18.2万円 | 17.4万円 |
30 | 28.4万円 | 23.5万円 |
40 | 38.4万円 | 29.3万円 |
50 | 48.1万円 | 33.3万円 |
55 | 50.1万円 | 35.2万円 |
※小数点第2切り捨て
引用:平成27年賃金事情等総合調査
少し古いデータですが、総合職相当と一般職相当によって給与差があることが分かります。
高専生を総合職で採用する会社もあれば、技能職や一般職で採用する会社もあります。
同一企業でも総合職と技能職・一般職で給与体系は異なるため、生涯年収に違いが出るのだと予測できます。
そのため、高専生を採用するコースを確認すると良いでしょう。
※ただし、大企業は元々の給与水準が高いため、技能職や一般職であっても、中小企業の総合職よりも生涯年収が高いことも多々あります
要因2(役職別の給与差)
要因の二つ目に、昇進(役職有無)による給与差が考えられます。
【役職による月給の違い(男性)】
✓ 部長級 月給60万1,700円(年齢52.9歳)
✓ 課長級 月給49万9,000円(年齢48.5歳)
✓ 係長級 月給38万1,700円(年齢44.8歳)
✓ 役職なし 月給29万8,300円(年齢40.8歳)
※学歴は高専卒に限定していません
引用:令和2年賃金構造基本統計調査
年齢による違いがあるため単純に比較できませんが、役職によって給与が大きく異なることが分かります。
実力主義ではなく学歴を重視する企業の場合は、同程度の実力があっても大学・大学院生と比べて高専卒の昇進スピードが遅くなることもあります。(大学院卒と大学卒の間でも同じことが言えます)
また、「高専卒は課長まで」と昇進に制限がかかる企業もあります。
昇進による年収差はとても大きいです。高専生の扱いを確認しておくと良いでしょう。
要因3(企業規模による給与差)
要因の三つ目に、企業規模による給与差が考えられます。
【企業規模による月給の違い】
年齢 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
20~24 | 22.2万円 | 21.1万円 | 20.7万円 |
30~34 | 31.3万円 | 28.1万円 | 26.6万円 |
40~44 | 40.3万円 | 35.4万円 | 31.9万円 |
50~54 | 48.5万円 | 40.8万円 | 34.7万円 |
55~60 | 47.8万円 | 41.9万円 | 34.9万円 |
※大企業=従業員1,000名以上、中企業=従業員100名以上、小企業=従業員10名以上
※学歴は高専卒に限定していません
引用:令和2年賃金構造基本統計調査
表の通り大企業ほど給与は高い傾向にあります。
高専生は大企業に入社する方が多いため、この点では有利と言えます。
高専卒が年収を高くするためには
今回説明した統計データでは、大学・大学院卒に比べて生涯年収に差がありました。
しかし、大学・大学院卒と同等の扱いをする企業の場合は、生涯年収に差は生まれません。
むしろ2年早く働き始める分、生涯年収を高くすることができます。
以下の掛け合わせで皆さんの給与・年収が決まります。
給与・年収を重視する場合は、考えてみると良いと思います。
【以下の掛け合わせで給与・年収が決まる】
✓ 大企業 > 中小企業
✓ 総合職 > 技能職・一般職
✓ 大学・大学院卒と昇進が同じ > 昇進に制限
「高専卒の給与・生涯年収を解説!なぜ大卒よりも年収が低い?」は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。